愛知県一宮市を拠点に、ウェルカムボードや似顔絵などオーダーメイド制作を中心に活動するRAINBOW AIRBRUSH(レインボーエアブラシ)です。
名古屋市美術館で開催中の
「ボテロ展 ふくよかな魔法」に行ってきたのですが、とてもよかったのでここに書き残しておこうと思います。
このボテロ展、いやボテロのことは、BS日テレの
『ぶらぶら美術・博物館』という番組で知りました。
ボテロの描く絵ををひと言で表現するならば、
"ぽっちゃり"を通り越して"ぼってり"。
(ダジャレじゃないです、偶然です。)
番組内ではボテロが貫く哲学を"ボテリズム"ということばで表現していましたが、
そこには ["ぽっちゃり"を通り越して"ぼってり"]というニュアンスも含まれていると勝手に解釈しています。
楽器も果物も人物も、ボテロが描くとすべて"ふくよか"になります(←展覧会のサブタイトル!)。
特に印象的だったのが、十字架に磔(はりつけ)になったキリストを描いた『キリスト』という作品です。
そのキリストもやっぱり"ふくよか"いや"ぽっちゃり"いや"ぼってり"しているので、
こんな重たそうなキリストを持ち上げて磔にするの大変だだったろうなあ、
と磔に処せられたキリストよりもキリストを持ち上げた(であろう)人々のほうに同情してしまいました。
これまで磔に処せられたキリストの絵を散々みてきましたが、こんな感想を持ったのは初めてです。
極端なまでに丸みを帯びたフォルムゆえ、思わずクスッと笑ってしまうボテロの作品ですが、
その「ふくよかな魔法」を可能にしているのが圧倒的な描写力です。
一見デフォルメ、単純化されているかのように見えて実はとても写実的。
質感、陰影の描写がすごく丁寧で、カンバスの隅から隅までみっちりと描き込まれていました。
そしてどの作品も大きい!(展示作品の多くが高さ2メートル前後あります)
これだけ大きな作品をこれだけみっちりと描き込むには相当な気力体力が必要だと思います。
ちなみにボテロは今年90歳にして現役の画家です。
今回の展覧会のポスターやパンフレットのメインビジュアルとなっている『モナ・リザの横顔』は2020年、88歳の作品です。
本当にすごいです。
一番楽しみにしていた3点組の作品『黄色の花』『青の花』『赤の花』の大型ポストカードを購入して帰ってきました。
名古屋市博物館での会期は9月25日までです。
名古屋のあとは10月8日から京都の京セラ美術館で開催されるようなので、お近くの方もそうでない方もぜひ行ってみてください。
小学生ぐらいでも分かりやすくて楽しめる展覧会だと思います。
それにしても展覧会に行くと自分も新作を描きたくなります!
久しぶりにオリジナル絵画、描こうかな…。